0.まえがき |
労働安全衛生マネジメントシステム仕様は、審査認証用として認知できる規格を求める強い要請に応えて開発された。 |
1.適用範囲 |
この規格は、可能な労働安全衛生のリスク低減、審査登録、自己宣言等のために適用できる。 |
2.参考出版物 |
OHSAS18002:2000、BS8800:1996の参考出版物がある。 |
3.用語と定義 |
事故、監査、継続的改善、危険源、危険源の特定、事故誘因、利害関係者、不適合、目標、労働安全衛生、労働安全衛生マネジメントシステム、組織、パフォーマンス、リスク、リスクアセスメント、安全、許容可能なリスクの定義がある。 |
4.労働安全衛生マネジメントシステムの要素 |
4.1 一般要求事項 |
組織内の必要なプロセスを定め、実行し、継続的に改善すること。全体的な要求となっている。 |
4.2 労働安全衛生方針 |
|
4.3 計画 |
4.3.1
危険源の特定・リスクアセスメント・リスク管理の計画 |
危険源の継続的特定、リスクアセスメント及び必要な管理手段実施の手順を確立し、維持しなければならない。リスクアセスメントの結果及び管理活動の効果を確実に配慮した労働安全衛生目標を設定し文書化しなければならない。 |
4.3.2
法的及びその他の要求事項 |
組織は適用されうる法的要求やその他の労働安全衛生要求事項を特定し、参照出来るような手順を確立し、維持しなければならない。関連情報を、従業員及びその他の適切な利害関係者に周知しなければならない。 |
4.3.3
目標 |
事業場内の関連する各部門及び階層で、労働安全衛生方針と一致した労働安全衛生目標を設定し維持しなければならない。目標は、法的及びその他の要求事項、労働安全衛生の危険源リスク、技術上の選択肢、財政上、運用上及び事業上の要求事項、並びに利害関係者の見解を考慮しなければならない。 |
4.3.4
労働安全衛生マネジメントプログラム |
目標を達成するための責任と権限、手段及び日程が含まれる労働安全衛生マネジメントプログラムを策定し、維持しなければならない。労働安全衛生マネジメントプログラムは、定期的に見直さなければならない。 |
4.4 実施及び運用 |
4.4.1
体制及び責任 |
要員の役割、責任及び権限を定め、文書化し、かつ伝達しなければならない。安全衛生担当管理者を選任しなければならない。不可欠な経営資源を用意しなければならない。経営管理責任を担うすべての者は、労働安全衛生パフォーマンスの継続的改善への関与を身をもって示さなければならない。 |
4.4.2
訓練、自覚及び能力 |
労働安全衛生に悪影響を与える恐れのある作業を行う要員は、ふさわしい能力をもたなければならない。適切な教育、訓練、経験に関して定められなければならない。 |
4.4.3
協議及びコミュニケーション |
関係する労働安全衛生情報を従業員及び他の利害関係者に確実に伝達し、かつそれらから聴取する手順をもたなければならない。従業員の参加と労働安全衛生委員会などの取り決めは文書化され、かつ利害関係者に周知されなければならない。 |
4.4.4
文書化 |
組織は紙面又は電子形式などの適切な媒体により、文書の核となる要素、相互関係、つながりについての情報を確立し、維持しなければならない。 |
4.4.5
文書及びデータ管理 |
文書及びデータの承認、配付、廃棄文書の管理する手順を確立し、維持しなければならない。 |
4.4.6
運用管理 |
手順書がないと、労働安全衛生方針と目標からの逸脱をもたらすかもしれない状況に適用する文書化した手順を確立し維持しなければならない。必要に応じて供給者又は請負者に関連手順及び要求事項を伝達しなければならない。 |
4.4.7
緊急事態への準備及び対応 |
潜在的な事故誘因及び緊急事態及びこれに対する対応を特定するための、及びこれに附随して起るかもしれない疾病や傷害を防止し軽減するための計画及び手順を確立し維持しなければならない。不測の出来事叉は緊急事態発生後には、緊急事態への準備並びに対応計画及び対応手順を見直さなければならない。実行可能な場合には、かかる手順を定期的にテストしなければならない。 |
4.5 点検及び是正措置 |
4.5.1
パフォーマンスの測定とモニタリング |
労働安全衛生目標の達成度合等の労働安全衛生の実績を定期的にモニタリング及び測定するための手順を確立し、維持しなければならない。これらの手順には次の事項を規定しなければならない。モニタリング機器の校正及び保持の手順を確立し、維持しなければならない。 |
4.5.2
事故、事故誘因、不適合、並びに是正及び予防処置 |
事故、事故誘因、不適合、並びに是正及び予防措置の責任と権限を定める手順を確立し、維持しなければならない。提案されたすべての是正及び予防措置を実施に先立つリスクアセスメントのプロセスを通して見直すことを要求しなければならない。顕在化及び潜在化する不適合の原因を除去するために取られるあらゆる是正措置又は予防措置は、問題の大きさに対応し、かつ、生じた労働安全衛生リスクにつり合わなければならない。 |
4.5.3
記録及び記録の管理 |
監査と見直しの結果及び労働安全衛生の記録、維持及び廃棄のための手順を確立し維持しなければならない。記録は、読みやすく、識別可能であり、かつ関連した活動に対して追跡可能でなければならない。 |
4.5.4
監査 |
組織は、定期的な労働安全衛生マネジメントシステム監査のプログラム及び手順を確立し、維持しなければならない。 |
4.6 経営層による見直し
|
組織の最高経営層は、労働安全衛生マネジメントシステムが継続する適切性、妥当性、かつ有効性を確実にするために、定めた間隔で労働安全衛生マネジメントシステムを見直さなければならない。経営層による見直しは、労働安全衛生監査の結果、変化している周囲の状況、及び継続的改善の約束に照らして、方針、目標、及び労働安全衛生マネジメントシステムのその他の要素の変更の必要性に言及しなければならない。 |